あーや

キャプテン・フィリップスのあーやのレビュー・感想・評価

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)
5.0
ソマリア沖にてアメリカの貨物船が乗っ取られた、マースク・アラバマ号乗っ取り事件を描いた作品。

海賊船に遭遇するところから事件が集結するまで、とてもスリリングかつ精細に描かれており、トム・ハンクスおよびソマリア人役の複数の俳優たちの優秀な演技に支えられた良作。
かなり事実に忠実に制作されたものらしい。

アメリカを相手に喧嘩を売ることがどれほど愚かで無意味なことかというのがよく分かると同時に、アメリカ軍の体制・練度の凄さを実感できる。。
同じ事件が他国の管轄下で発生したとして、果たしてここまで手際よく解決できる国が一体いくつあるのか。

一方で、作中ではソマリア人海賊の立場についても少し触れられており、アメリカと違ってソマリアでは悪人の道を選ぶしか生きる道はないとのこと。

しかし、海賊をやるにしても相手は選ぶべきだったよねと。。仮にこの事件で海賊側が勝利していたとしても、その後には面子を潰されたアメリカによる国家レベルでの苛烈な報復が待っているわけで、結局はそれがまた自国の発展に負の影響をもたらすことになる。

まあ先進国ですらこういうことを理解できていない人はたくさんいるので、ましてやソマリアの、教育も受けていないような貧困層がそこまで想像できるはずがないというところで、そこは発展途上国ならではの非常に根深い問題とも言える。
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