グランド・ブダペスト・ホテルのogiharaのレビュー・感想・評価

ウェス・アンダーソンならではの色彩・厳格な構図が美しい映画で、加えてめちゃスリリングかつ笑えるストーリーで、大満足だった。
最後のゼロのセリフがともかく重要だ。グスタフが目指した来るべき理想の人間社会は幻想でしかなく、またこれまで達成されたことすらなかったかもしれない。しかしその理想は絶えざる試行の末に、可能的に達成され得る。その達成のために重要なのは、グスタフの不可能な理想を後代へと受け継ぐことで、絶えずその手を伸ばし続けることなのだ。