このレビューはネタバレを含みます
ヴァージルは、最初は手袋の上からさらにハンカチを重ねないと扉も開けられなかったのに、クレアに夢中になるにつれ、ハンカチ無しどころか素手で扉や家具やクレアに触るようになっていく表現が生々しかった。
最後のシーンは、ヴァージルが見つけ手に入れた愛はすべて贋作で、ただ彼の抱くクレアへの愛だけが真実だったことを表していた。
切ない気持ちになった反面、今まで彼に騙されたり良いように使われたりしてきた人達にとっては、スカッとするシーンなのかも、とも思った。
クレアに指摘されてから染めるのをやめた髪がどんどん白くなっていく様と、コレクションを失って真っ白になった部屋との対比がよかった。
作品の1/3位で騙される結末には気付いたけれど、表現の仕方が良くて最後まで観れた。