流之助

寄生獣 完結編の流之助のネタバレレビュー・内容・結末

寄生獣 完結編(2015年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

原作ファンの感想。

浅野忠信が後藤、深津絵里が田宮良子。このキャスティングがめちゃくちゃどハマりしていて、ちゃんと強キャラ感があって強さや言動に説得力を持たせることができていて良かった。

母を通して人間を理解しようとした田宮良子と、人間を殺すことで生をまっとうしようとした後藤。この対比がもう少し掘り下げて欲しかったけど尺的に仕方ないとは思う。

特に浅野忠信さんの無双シーン最高!強いオーラまとってるもん。
ピエール怪演もマル。

警察も非力で無能感はあるんだけど、ちゃんと人間の集団としての怖さを表現出来ており一般寄生生物を駆逐するシーンがよかった。

娘を殺された記者役の大森南朋の演技も最高。殺される前と後での表情の差がエグいもんね。

でもガッカリポイントは何点かあってこの評価になっちゃう。
何度も書いているけれど尺が圧倒的に足りない。そのせいで、ミギーとシンイチの絆の掘り下げがめちゃくちゃ浅い。
最初からミギーはシンイチの味方にしか見えないのでミギーが自己犠牲でシンイチを生かすシーンが当たり前の行動に見えてしまい、原作の感動がまったくない。すぐ復活しちゃうし。

あとは後藤とシンイチとの戦闘シーンが少ないのも残念。もちろん尺の都合だけどね。サトミとのイチャラブシーンあんなに要らないから後藤との戦闘シーンもっと欲しかった。コレジャナイ感。

こういうグダグダが終盤にあるので、中盤まではまあ面白かったんだけど終わり方が微妙。

溶鉱炉とぐにゃぐにゃの後藤とか撮影の構図もろもろターミネーター2すぎてウワァってなってしまったし…。
あとBGMがすごいワンパターンすぎて飽きる。感動させまっせ!!!って感じがして萎えまくり。BGMうるせえな、とか途中で思ってしまった。

ミギーがシンイチの身体に眠るシーンも、こうした一連の後半のダメな感じが災いしてぜーんぜん泣けなかった。
あとラストシーン酷すぎる。取ってつけたような、という感じ。殺人鬼パーン!ってぶん殴ってたけどその後コンクリートの上で寝転がってイチャイチャ。なにこれ?何見させられてるんだ?ってなる。こんなとこに尺使わないでもっと(以下略)…!

蛇足ながら、ミギー的な寄生をしてしまったジョーたちもいなくて寂しい…。
やっぱりシンイチのお父さんのシーンも個人的に好きだから…なんて言っているとキリが無いんだけども、まあ、あの原作を映像化するってなったら頑張った方なのかなぁ。うーむ。感動煽りなしで感動させてくれよー!って思う。

Netflixオリジナルでドラマシリーズ化とかしてくれたら凄いのが出来そうな気がするんだけどどうなんだろう。
尺とか削らずいけないかな?
お金あるしwww

普通の作り方の邦画だと、この規模のストーリーは作れないと諦念すらある。
下手に完結まで映画化せずに作った方がよかったかもね。詰め込みすぎ。感動煽りすぎ。似たような構図にしすぎ。

俳優さんの演技は素敵でした。
流之助

流之助