このレビューはネタバレを含みます
作画よし。劇伴よし。脚本よし。
良作だし、この作品がヒットして評価されるだけ日本はまだマシかも？とすら思えたりする。
ミズキやキョウコツのイントネーション(アクセント)の違いが絶妙に現実とのズレ感を生じさせ、それがファンタジーとリアルの境目を胡乱にする。その感覚がいやに心地よかった。
日本に古くからある｢ハレ｣と｢ケガレ｣の概念が人間と幽霊族という異種間のバディにうまれた不思議な絆に託されていて、同時にテーマが主張しすぎず物語としてのエンタメ性を兼ね備えている。歪みと調和が気持ちいい。
私の好きなもの。
相棒。
異種間の絆(友情、異性愛、家族愛すべて)。
そして、
失いながら同時に得るストーリー展開。
バッチリ。
ちょっと物足りなかったのはミステリ要素。
｢謎｣
っていうタイトルが付いているから期待する(ネタバレ踏んでいないので期待値を下げずに鑑賞)。
そのぶん、そこについてはかなりあっさりしているのでサラサラっと過ぎていった感じがする。
ここにこの映画のキモがあるわけではないのだけど、ちょっと盛り上がりきれなかったかもしれない。
とはいえ。
いまもなお二次創作が後を絶たないゲ謎は間違いなく良作で、私の心の中にもガツンと刻まれた作品になった。
にしても。
ドロドロ、胸糞、人間怖い系っていう大げさな触れ込みもそこまでか？ってなった。
これは単純に受け取る私の印象の問題だけど。
ふだんもっとそういう作品に触れているのでそこまでズーンとはならなかったな。
いちばんズーンとしたのエンドクレジットだったんだから！
クソデカ激重感情はあのエンディングにこそあるんだよなァ…。
こういうの、弱いワケ。私。
