旅するランナー

楽園の瑕 終極版の旅するランナーのレビュー・感想・評価

楽園の瑕 終極版(2008年製作の映画)
3.3
【印象派的武侠映画】

ウォン・カーウァイ&クリストファー・ドイルが撮れば、武侠映画もこうなるんでしょう。
もしも岩井俊二監督がヤクザ映画を作ったら、みたいな感じかもしれません。

季節の移ろい、光と影の変化、水面への反映...
印象派の絵画のような、映像の捉え方。
モネの風景画が抽象画に変遷するように、この映画も観客を抽象の世界へ誘います。

香港映画界の美男美女をアートの中に愛でる、クローズアップの連続もあり、
アニメーションのような戦闘シーンの動きもあります。
時とともに熟成され、味わい深くなっていく映画もあるんですね。