イチロヲ

ハロルド&クーマー・ゴー・トゥー・ホワイトキャッスル(原題)のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
大麻摂取を常習しているアジア系アメリカ人の青年コンビが、ファストフード店・ホワイトキャッスルを利用するべく、マイカーをかっ飛ばしていく。白人による差別行為を喜劇化している、ナンセンス・コメディ第1弾。

韓国系のハロルドは、本能を抑圧させて、実直な勤勉家を取り繕うタイプ。インド系のクマールは、本能に任せて、デリカシーに欠いた言動を取ってしまうタイプ。そんなコンビが、ニュージャージの有象無象を背景にした、ストーン・コメディを繰り広げていく。

本編内容は、店舗までのロードムービーと大麻ゲットを目指したスケッチ集によって構成されている。「大麻を入手するためには危険も厭わない」という、クマールのトリックスターぶりが絶妙であり、大麻を恋人に見立てたモンタージュが抱腹絶倒。

下ネタ、宗教ネタ、差別ネタをてんこ盛りにしながら、「こいつらみんなアホでしょ」と言わんばかりに、喜劇へと転換させていくスタイル。白人に対して「NO!と言えない東洋人」が「NO!と言える東洋人」に成長するくだりにも、ホロリとさせられる。
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