このレビューはネタバレを含みます
this is the 正統派。かなり好きです。
この映画のちょっぴり陰鬱な雰囲気は、作品名の『Persuasion(説得/説きふせられて)』と、しっくりと馴染んでいます。
18世紀のイングランド、良いわ〜。緑の風景も、その中を走る馬車も、海も、石造りの街並みも、すごく美しい。
19才のころの破談となった恋愛以降、くすぶってしまい、もとは美人なのに疲れた容貌になってる27才のヒロイン、アン。
花嫁学校を出たばかりの少女たちの軽やかさの隣で、色々なものに流されて萎びかけてる様子が印象的でした。ずっと被ってる帽子もアンの心境をあらわすよう。
『シェイプ オブ ウォーター』のサリー•ホーキンス。良いですね😊
ぱっと見、ダコタ•ジョンソンとは比較にならないほどの地味ヒロインだった。猫背でうつむいて、ずっとうっすら緊張していて、今にも泣きそうで。そのなんとも焦ったい様子がとても良かったです。
周りの雰囲気とか願いに抗えなくて、自分の幸せを逃してしまうヒロインは、優しすぎるのか、主体性がないのか。周囲を優先したのか、自分の心を閉じて守ってしまったのか。
彼を探してバースの街中を走るラスト、今までの弱い自分から抜け出る気持ちがすごく伝わって、すごくすごく良かった😭✨👍👍
とまどい、動揺、後悔、喪失、淡い期待、衝撃、喜び、強い想い。ヒロインの心の動きを繊細に丁寧に見せてくれる映画でした。
満足。
しかし。やたらと第4の壁を乗り越えて、こっちを直視するアン。なんなんだろう、この演出?
ダコタ主演作もそれが多用されてて、違和感あったのに、こっちもだった。原作読んだらこの演出をする意図が分かるんだろうか。気になる。とても印象的だけど、急に何かが無断で刺さってくる感じがします。