回想シーンでご飯3杯いける

ミラクル・ニール!の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ミラクル・ニール!(2015年製作の映画)
2.5
エイリアンの策略で全知全能を手に入れた男(学校の教師)を描いたイギリス産コメディ。

これまでにも何度か書いている通り、怒りや感動の感情は国境を越えた共感を得られるのに対し、笑いの感情は、宗教観や道徳観の関係で、国境を越えるのが難しく、実際に全世界で大ヒットするコメディ映画は非常に少ない。本作も、冒頭から、モンティ・パイソンがアフレコを担当するアクの強いエイリアンが多数登場。食堂のおばちゃんは「ネズミ肉か、戦死者の煮込み、どっちにする?」と日替わりメニューを案内し、主人公が初めて使うパワーで、受け持ちの生徒38人が死亡と、とにかくイギリスっぽいドギツイ冗談が続いて、正直全然笑えなかった。

そのアウェイ感を修復してくれたのが、主人公の愛犬デニス。主人公のパワーによって言葉を話せるようになった彼のとぼけたキャラで、ようやくコメディとして楽しめるようになった。よくよく考えてみれば、デニスのアフレコを担当しているロビン・ウイリアムズはアメリカ人なんだよね。いや、そもそもデニスは人間じゃなくて犬だ。だから僕もセンシティヴになりすぎずに笑えたのかもしれない。

犬は世界に平和と笑いをもたらす、、、、のかもしれない。