水

シン・ゴジラの水のネタバレレビュー・内容・結末

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

神的存在のゴジラに立ち向かう政治家や専門家たち、復興に向かう市民に、運命にさえ争う人の強さを見た。
ゴジラ−1.0は市民側からのアプローチだったのに対し、シン・ゴジラは国家側からのアプローチでそれぞれによさがあった。
わたしはシン・ゴジラ派かも。
政治に対してはお堅いイメージを持ちがちだけど、ユーモラスな描き方をしていて愛らしく見えてしまった。
緊急時に機能しない政治の無力さが現代らしかった。
人間の知的生活が機能しなくなった時は、野生の本能に倣って脳筋が1番だよね。「逃げろって言えー!」
臨時総理大臣が「避難とは住民に生活を根こそぎ捨てさせることだ」と言っていてよかった。
戦争、災害と数々の崩壊を経験してきた日本の強さがゴジラとの死闘の中で描かれていて、愛国精神溢れる映画だと思う。

派手な爆撃だけでやっつけるんじゃない小賢しさというか几帳面さが邦画らしくてよかった。日本の精神が滲んでいた。
第一部隊の全滅が目に焼き付いた直後、怖気付かず作戦決行した第二部隊に拍手を送りたい。

完全解決されないラストも現実的でいいと思う。
最後のカットは「犠牲の中に成り立つ平和」的な意味かな。

ゴジラをかなり好きになってしまった。
第一形態ゴジラのつぶらな瞳、可愛かったな。
恐竜や爬虫類と同じく、都市を破壊するゴジラにも愛しさは見出せるのか。
高層ビルに羽交締めにされるゴジラは、仲良くしたかっただけなのに系の悲しき怪獣を感じて、少し可哀想に見えた。

無人在来線爆弾という天才的なワードセンス。
かっこよすぎだろ。撮り鉄になりそう。

なかなか癖ありなカメラワーク、テンポの良い編集、よかった。

時々迷迷の人出てた!

生物は誕生から今まで陸への進出を目標に進化してきたわけだけど、ゴジラもそうなのか。
第一形態は魚類に近い両生類、第二形態以降は爬虫類ときたから、空を飛び出すのを今か今かと待っていた。
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