このレビューはネタバレを含みます
「あなたはプリズム。世界の光線を屈折させる。」
才能をお金に換えないで、自分と愛する人のために使うルイスは真の芸術家だと思った。
ルイスを一人にさせないための愛の言葉が呪いのようについて回り、苦しい時、世界を美しいと思えない自分を傷つけるための言葉に変わったように見えて苦しかった。
剽軽で滑稽だったルイスの猫の絵が、妻が愛してくれたという本質が差し替えられて、次第に狂気を帯び、空明るくなった様子が悲しかった。
ルイスの人生が没落するに伴い、幸せだった頃の思い出ばかり輝き続け、現在との対比にどうしようもなく寂しくなる。
鼻の先まで水位が上がり、溺れるようにもがき苦しむような人生をただ一筋の光が照らしていた。
光の映画だったな。
薬中の愛猫家が見る夢みたいな映像がよかった。