KnightsofOdessa

黒衣の刺客のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

黒衣の刺客(2015年製作の映画)
4.5
[鏡磨きの需要が知りたい] 90点

いつにも増して自然推しなホウ・シャオシェンの最新作はキャリア初の武侠アクションものらしいが、人間関係の混み具合が尋常じゃないし、キン・フー的なアクションとホウ・シャオシェンの相性は最悪なのでその中間くらいを彷徨っているという印象を受ける。取り敢えず、スー・チーの厳ついくらいの輝きと圧倒的な静けさで捻じ伏せてくる感じで、それは嫌いになれないというか寧ろ好き。混み合った人間関係はその静けさの中で時間ごと停止しているが、異邦人としてやって来た鏡磨きとスー・チー姐さんのお陰で映画が突き進むという構図はなんとも素晴らしい。落ち着き払った、実に優雅な映画である。なんで唐の時代なのかはよく分からんが。

竹林の闘いは私が世界一フォトジェニックと信じてやまない白樺林での闘いに変わり無事発狂。全行程を無表情でキメていくスー・チー姐さんに改めて惚れ直した。鏡磨きというニッチすぎる職業を知ったのも収穫の一つ。どこらへんに需要があるのか知りたいところ。うちの鏡も磨いてくれ。
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