七沖

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)の七沖のレビュー・感想・評価

4.0
〝あなたは、最後を見届ける、最初の人類になる。〟
いよいよシーザー3部作もこれで完結。
今までずっと人間との共存を考えてくれていたシーザーに、これはもう人間を憎んでも仕方ないと思える決定的な転機が訪れる。

その上で、シーザーはどうするのか。そして人間と猿の覇権争いはどうなるのか…というのが本作で描かれることだ。
遂に初代『猿の惑星』最大の疑問と言える、「なぜ人間は言語を失ったのか」が描かれる。

個人的には三部作の中で1番評価が低くなるが、そもそもこのシリーズは全部面白いのであくまで相対的な話だ。けっこうシーザーがつらい目に遭う(いつもそうだけど)のが理由だ。

終盤に起きる出来事は、自然が人間よりも猿を選ぶかのようで、両者の違いを視覚的に分かりやすく描いている。
ラストの初代『猿の惑星』に繋がっていく予感を含んだ余韻も素晴らしい。

謎の少女ノヴァは…物語上いてもいなくても影響はないように思えるが、まあ彼女がいないと人間はクソ野郎しかいないことになるから、人間の最後の善性として必要だったのだと思う。
そんなノヴァだが、新作『猿の惑星 キングダム』では思わぬ繋がりを見せることに…。
やはり新作を観る上で、余裕があるならシーザー三部作はぜひ押さえておきたいシリーズだ。
そうでなくても、この三部作は未見の人にはぜひ観て欲しい。今の時代を生きる人にこそ、『猿の惑星』は必要なのかもしれない。
七沖

七沖