のんchan

僕がいない場所ののんchanのレビュー・感想・評価

僕がいない場所(2005年製作の映画)
4.2
これは衝撃作😨胸に刺さる社会派ドラマ‼️

是枝裕和監督『誰も知らない』
ナディーン・ラバキー監督『存在のない子供たち』
のポーランド🇵🇱版という感じ。
子供を扱う作品が得意だという女性監督らしく、母子関係の繊細な描写が巧みで心臓が破裂しそうになった😭


孤児院を脱け出し愛してやまない母親のもとへと戻った少年クンデルは、ベッドで見知らぬ男と寝ている母を目撃してしまう。
子供を産みっぱなしで、自分が男に縋って生きるのに邪魔だからと息子を突き放す母親。
そんな女でもクンデルにはただ1人の母親なのだ。しかし、小さな心の中は嫌悪感で一杯に...その時から誰にも頼らずにたった1人で生きることを決意する。

その逞しさたるや出来ることじゃない。私は人生振り返ってみると1人で暮らしたのは海外生活の時だけ。国内で1人暮らしをしたことがない😧見習いたいほどの知恵があり、芯があり、強くて賢い🥺

廃船に住み付き、空き缶や鉄屑を集めてお金にし、パン屋のガラスを破って盗みもして食い繋ぐ。
親戚も知り合いも友人もいない。
しかし、川辺りの裕福な家の少女がクンデルに興味を持つ。少女は美人の姉といつも比較され自分は不細工で馬鹿だから誰からも愛されないと思っている。
愛されない者同士で少しづつ心が繋がって行くのは微笑ましかった。しかし、その姉が通報して...


カメラワークも好みだった。
98分、主人公の少年だけを観続けられる。アップも引きもセンスが溢れている。少年が何才なのかは出て来ないけど11〜12才かな?
とにかく表情が素晴らしい✨
悔しさ、寂しさ、心細さ、やるせなさ...様々な感情を語っていて、大人びた表情を浮かべたと思うと子供らしい無邪気な笑顔ものぞかせる。
終盤、少女の前で「ママに嫌われた」と堪えても涙が溢れ出てしまうシーンは、思わずギュッと抱きしめてあげたくなった😭魅せる名演技👏
監督がポーランド中を探し回って見つけたほとんど素人の子供たちらしい。末恐ろしいほどに上手かったんですが...これ1作とは勿体ない。

あ〜好きな作品に出会えました✨✨✨
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