ひきこもりぺんぎんとびおくん

ロブスターのひきこもりぺんぎんとびおくんのネタバレレビュー・内容・結末

ロブスター(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

もし、映画の世界の中に生まれついていたら、今頃、犬かペンギンになっていた。20代の頃は犬になりたかった。30代の今はペンギンになりたいでいる。けど、劇中、ペンギンより犬のような系統の方がよいと…、いや、そんな一般的なご意見より、私はペンギンになりたい意志を貫く。
気になるのは近未来なのに有線イヤホンにポータブルCDプレーヤー、ジェンダー観が古い、手錠を掛けられたのはなぜ?ということ。
特にここではジェンダー観に触れておこう。劇中、なぜ独り身ではなく2人(カップル)にならなければならないのか、というホテルでの見せ方。寸劇という形で、割と高齢の恰幅の良い男性が食事を喉に食べ物を詰まらせ死ぬというシーンの後で、これでカップルだと女性が詰まらせたものを吐き出させるというシーンに。次に1人で歩いていた若い女性が若い男性にレイプされる(寸劇ではズボンを脱いでパンツでパコパコしてる)が、女性一人なので助けを呼んでも誰も来ない…というもの。これがカップルになると、そもそも、若い男性が襲わないという。つまり、結局、女性は男性にとって介助や介護、性的欲求のはけ口なのだと言わんばかりなのだ。いやいやいやいや、そこは男性にちゃんと性教育しろやと。男性の問題だろと。
劇中でなぜこうなったのか、あまり詳しくは語られなかったが、少子化が原因であるとは言われないし、もしそうだとしたら「ホモセクシャル」か「ヘテロセクシャル」か選択出来ないだろう。となると、恋愛至上主義的なものだろうか。とはいえ、妻と死別・離婚して即あのホテルに連行されるというのはどうなのだろう。(今朝、昨日のあさイチ(セックスしていないことは恥ずかしい?)を観たこともあり、なんというか、社会的に結婚していること、子どもがいること(産んでいること)はあたかもそれが出来て1人前の、というか、それが出来なければ「人間扱い」されないかのようで、なんというか、もやもやしか気持ちである。)

もう一点、興味深い点があった。
それは例のホテルで期限内にカップルにならなければならない、という時、無理やりカップルになろうとする。それに対して、逃げて独り身だけで生きているグループでは恋愛・セックス禁止だが、中にはイチャついたり、恋愛に発展することもある。禁止されるとやりたくなってしまう性(さが)ともとれるが、私は恋愛の出逢いというのは縁なので期限内にカップルになれとか、恋愛・セックス禁止だとかそういうものに縛られることは無いんだということ。たまたま、あのメンバーでホテルにいた、森にいた、というだけで、もしかしたら自然に、つまり学校や職場で出会っていたり、はたまた陳腐な出会い方をしていていたりしたかもしれないということだ。

ただ、どうしても理解できないのが、恋愛イコールセックスであることが、本当に分からない。恋愛感情と性的欲求が一致するのまじすごい。と思ったが、ロブスターになりたい主人公は別に好きでもない女性とカップルになりセックスしてましたね…。

この世界での「ホモセクシャル」のホテルはどんな感じなのだろうか、ゲイ・レズビアン共に気になる。
また、この独り身が狩られるのは何歳からなのか、とか詳細が知りたくなった。

とりあえず、私は今独り身なので捕まえてペンギンにしてほしい。