financier

顔のないヒトラーたちのfinancierのレビュー・感想・評価

顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)
3.5
戦後一時的に国民から隠された記憶。
みんな口をつぐまざるを得なかった罪。
人は容易に罪を忘れ、日々を生きるようにできているらしい。

主人公の感情がやや薄く見える。自身の所属する社会を破壊しかねない活動をしている自覚は、身近な人間の過去を知るまでなかったんだろうか?
拳銃を振り回すあたり、身の危険を感じていないこともなかったと思うけど、どことなく気楽さというか、他人事に見える。時代性なのか、ヨーロッパ大陸、あるいは美しい白人だからなのか、謎。

記録がしっかり残されていたのは、後の世にとって良かったことと思う。
一方我が国は殆どをしっかり燃やしており…。

地方の図書館の倉庫には、校長や教員が国に請われるまま、子供たちに戦争に身を投じる素晴らしさを教え込んだ、そんな罪の証拠の文書が残っていることがあると、NHKあたりのドキュメンタリーで見た。

そういった文書は敗戦直後に隠滅する命令を潜り抜けた、誰かによって守られたものであるけれど、かつ、戦後につまびらかにすることもできなかった、二重の罪の証であると。
financier

financier