KnightsofOdessa

私は好奇心の強い女 イエロー篇のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

4.5
[黄色はキリスト教・自由・独立の色!] 90点

何年か前にノーザンライツで上映されたとき、冒頭5秒で"イエローとブルーがあるよ!どっちも見てね!"とレナさんに言われて、その場に居た全観客が"ブルー上映されないじゃん!"とツッコんだ。スウェーデンでのポルノ映画騒動が世界中に飛び火して、世界的なポルノ解禁に発展したのは有名な話で、そういう点で映画史上最も重要な作品の一つであり、伝説の映画でもある。私も現時点で最強のセクスポル映画だと思っている。マカヴェイエフとか苦手やし。

まぁ面白いかどうか訊かれると微妙なところではあるが、政治を語ろうとしてセックスし、セックスを語ろうとして政治を語るため、結局はどのシーンも切り取ることが出来ず、仕方なく公開したという道筋が見えてくる。この辺のメタ的構造が見え始めてからはただのエロ映画なんだが、しょーもなすぎて笑えてくる。インタビューされた人々は後に暗殺されたウロフ・パルメ(当時は運輸大臣、後に首相)も含めて、ポルノ映画になるとは思いもしなかっただろう。キング牧師と会話する切り返しとか、変態じゃん。

枠組みが映画、映画内映画、映画内映画内インタビューの三つくらいあって、頻繁に往来するため、結果よくわかってないんだけど、登場するどのキャラも変態であることは伝わる。最初のほうが男女平等や兵役について真面目に(?)インタビューしていた一行であるが、レナさんがボリエという青年に出会ってからは恋人のシェーマン監督ともギクシャクし始め、ブチギレて田舎で修行生活を送り、やって来たボリエとセックス三昧、帰ってきたらシェーマン監督には新恋人がいて云々。字面だけ追っていると堅苦しい変態映画に見えるかもしれないが、その実アップテンポで進むポップでキュート(?)な変態映画なのよ。誇張された性=セックスと痛烈な社会批判、キリスト教批判も含んでいるから、やっぱりポルノ映画じゃないんだと思う(錯乱)。

ラスト、誰?と訊かれたレナさんが"レ、ナ!リェェナァァ!!"と言っていたので、私もレナさんと呼ぶことにした。半月メガネのレナさんは最高にどエロイので必見。
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