ハニルくん

バービーのハニルくんのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.0
米国におけるバービー人形の歴史を踏まえて、米国民による愛着と時間の経過による米国社会の価値観の変化を、かなり面白く表現した。

女の子のための夢の国「バービーワールド」は、たしかに男は皆ステレオタイプのわき役でしかないし、夢見る女の子中心の世界ではあるのだが、しかし、実際にはその女の子の「夢」自体が、社会における男性の前の女性役割に縛られたものであったということを明らかにしていくというのがクライマックスになる。

1959年に米国のマテル社から初めて発売されたバービー人形だが、2002年に85歳で亡くなった発明者のルース・ハンドラーがおばあさんの姿でバービーの前に登場し、本来、娘のために娘の名前から名付けたというバービーを、またもう一人の娘として見つめながら、その未来の選択を応援するという流れが実に感動的であった。