このレビューはネタバレを含みます
すごい映画やった……
ヒトラーでコメディってどうなん？いいの？って思ってたけど、めちゃくちゃ風刺映画でしんみり考えてしまった。
喉元過ぎればなんとやらで、ジャックザリッパーやカーミラ、岡田以蔵がコアな人気があるのと同じように、ヒトラーを受容してしまう。物語的存在になっちゃってるんだよね。でもヒトラーが犯したことの惨さをちゃんと知ってるおばあちゃんは彼を毛嫌いしてた。歴史的事実ではなく本当のことを知らなければ、また同じように民衆はヒトラーを〝選んでしまう〟って痛烈な指摘。演説の天才にネット社会という舞台を与えてしまえば、きっとあの頃以上の悲劇が起こる。映画のバッドエンドが効いてた！
エンディングの歌詞が「ヒトラーを捻じ伏せよう」なのも痺れた。映画内ではヒトラーを面白おかしく描いておいて、エンディングは真っ向からの否定！見て良かった。民主主義が機能するには、多くの人が賢明であることが必要なんだ。他人事じゃないな。
それにしても、ヒトラー役の演技本当にすごかった。ホンモノすぎて。コメディアンに対して「彼は沈黙の力を知らない。それを恐れている」ってモノローグも貫禄ある。
ちなみに、犬がかわいそうな目に遭います😢
