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葛城事件のWNTのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
3.6
葛城家の次男稔は何故人を殺したのか。
そこには葛城家の深い闇が隠されていた。

亭主関白で誰の言うことも聞かない老害のような父清、清に支配され死んだように生きる妻の伸子、父に怯えて社会に適応できないまま必死に生きる長男保、引きこもりでバイトが長続きしない、口癖はいつか一発逆転してやると言う次男稔。

家族の会話はいつも成立していなくて、お互いに誰のこともきちんと見ていない。
父清が葛城家を支配することで家族が崩壊し、全て失う姿にゾッとする。

胸糞の悪い会話が多く、登場人物に一切共感できない点がよく出来ていてすごい。
観ていて辛くしんどいやりとりが多いので元気がある時に観ないと疲れてしまいそう。

逃げたくても逃げられない家族関係、親、子ども。
逃げられたら結末は変わっていたのかもしれないけれど、清が人として終わっていて言葉が出ない。
事件の発端は家庭環境やろと言いたくなるくらい劣悪な状況で、そりゃ心も壊れるわと辛くなった。

順子のキャラクターもかなり意味不明で、いい意味でこういう人いるなと思ってしまった。

誰も救われない絶望的な映画でこんな家族嫌すぎる。
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