のんchan

走れ、絶望に追いつかれない速さでののんchanのレビュー・感想・評価

3.7
中川龍太郎監督の自伝的作品。
監督作品鑑賞は4本目。

まだ仲野太賀のフルネームに変える前の太賀だけの時期、21歳だろうか?若い。特にイケメンでない普通の青年役がピッタリくる。


親友の薫が自殺した。青春をずっと共にして来た漣は、その死を受け入れられないでいた。
死ぬ理由?悩んでいたことすら知らなかった漣、そのやり切れなさを胸に抱えつつ、慌ただしく日々が過ぎていく中、薫が過去に描いていた1枚の似顔絵を手にする。それは同級生の環奈の顔だった。薫のかつての恋人と一緒に、死を知らせる為、環奈の元へと向かう...

地味ながら癒しのある景色、心に寄り添う美しい音楽がマッチする🎵

太賀の演技は自然でイイ。
猫を抱くシーン、赤ちゃんを抱くシーンのなんと優しさが溢れていることか💕
そしてこの作品の1番の見どころは、涙を流しながらご飯を食べるシーンに尽きる。

食べることは生きること。
人間は誰しもこの世に生を受けた時から亡くなるまで生きるのだ。
しっかり食べて生きるのだ。

死生感を改めて感じ入る。
ラストの吹っ切った表情がなんとも言えず良い。
台詞も少なめ、静かな時間経過を漣と共に過ごす感じ。

仲野太賀、今まだ30歳。
彼しか演じられない作品を作り続けて行って欲しい💫
のんchan

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