よしくん

火の山のマリアのよしくんのネタバレレビュー・内容・結末

火の山のマリア(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

貧しい農村の小作農の娘マリアは美人で、地主の息子との縁談がまとまったが、マリアは以前から気のある別の男と寝てしまい、子を宿す。しかし、許嫁と結婚しなければ、この土地から追放されるかもしれないが、土地に種を蒔いておけば、このままた残してもらえるかもしれないと、家族でそちらにかける。

母親によると、自分が妊娠した時、乳の量が多くその匂いで、虫やムカデや蛇が近寄らなかったという。娘もそれを信じ、種まきのヘビよけを勝手出で、種を蒔く地面をゆっくり踏みしめながら歩いている時。毒蛇に噛まれる。

許嫁の地主の車で街まで搬送。車の荷台で母はマリアにあんな迷信をあんたは本気にするからと泣き崩れ、それをやめさせなかった自分を責めた。病院に着いたが、医者と言葉が違い通じないが、母子共に助かったと医者は告げた。しかし許嫁のイグナシオは、赤ん坊は死んだとマリアの両親に告げ、埋葬許可のマリアのサインが必要だからと、眠るマリアの指紋で捺印する。貧しい村には政府から埋葬支援金が出るという。

村に戻り、赤ん坊の埋葬儀式を行い、小さい棺桶の上に苗木を添え、その木が育つように祈る。儀式が終わり、マリアは子豚の世話をしていたが、埋葬した子供の棺桶を掘り返す。棺桶の中に子供はおらずレンガしか入っていなかった。子供は生きている。

再び政府(か警察)の聴取。しかし許嫁のイグナシオしか言葉がわからない。貧乏で生活が苦しいから子供を売ったのか? と役人は聞いているが、マリアと両親は役人の言葉が分からず、イグナシオに聞くが、誤魔化されてしまい、役人はマリアの母が何て言ってるかイグナシオに聞くが、「早く帰りたいと言ってる」と嘘を言い、その場を切り抜ける。

子供のことを有耶無耶にして、政府からもらった金をイグナシオの父から、マリアの父に渡して、マリアに服でも買ってやってくれと恩を売るように言い、マリアはイグナシオとの結婚式に臨むため、母にドレスを着せられるのであった。

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どんな土地でも、主従、男女、家庭、雇用、計略、こんな事が生きる中で絡むのは同じだが、立場の弱い人間はどこまでも弱くコントロールされてしまうのがよくわかる。自分の意思を最後まで貫き通す、それ以外にしがらみの中にある状況を変えることはできない。マリアは気になる男に着いてゆこうとするが、火山にお供えをすると嘘を言いながら、許嫁に見つかり、連れ戻され、さらに妊娠し子供も売り飛ばされ、負けてしまったのだ。イグナシオは、美人の女をモノにするためには、目を瞑る部分と計略をうまく使った。かれは大人だった。
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