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『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』に投稿された感想・評価

それほど大昔の話ではないので余韻はまだ残っているし、事件のアウトラインの記憶もある。しかし、これだけディテールを積み重ねて見せられると、これはただ単に不正取引だの不正経理だので済まされる話じゃない。これは国家反逆罪とか、横領、詐欺といった明確な犯罪だ。

カリフォルニアで電力をストップして価格をつり上げ、何と2000億円も儲けた話なんて、これ一発だけでも経営幹部は刑務所に繋がれるべき話だとは思うが、直前迄CEOをしていたジェフリー・スキリング以外は現在でも普通に暮らしているという話を聞くと(但し会長のケネス・レイは保釈中に心臓発作で死亡してる)、法律なんて本当にいい加減なもんだと思う。特にストリップ好きの前会長ルー・パイなんか3億5千万ドルもせしめてさっさと辞めてハワイで悠々自適の生活をしてるなんて、アメリカ人じゃなくても見ているだけで腹が立つ。馴染みのストリッパーに子供を生ませ、結局奥さんと離婚してその後そのストリッパーと再婚するなんて、なんと解り易い奴なんだろうか。

面白いのは、どうすれば損失を隠して利益が出たように見せるか、損失があってもどうやれば莫大なボーナスが得られるか、というのが経済書なんかを読むより遥かに良く解る点だ。こういうドキュメンタリー映画の方法論もあるんだなあ、と一人で納得。

先ず時価会計を導入する、という点。つまりこれは、“主観的”に“将来利益の先取り”が出来るので、ストーリーを作れば幾らでも利益が出せる。そしてプロジェクトはジョブベースでSPEを作る。そうすれば会計開示義務はないので損失が出たとしてもバッくれればいいし、利益が出れば利益として連結に組み入れればいい。(但し後半は利益が出たプロジェクトは殆ど無かったらしいが。)

それにIRを徹底的にやって(つまり、役者の資質がないとダメだということなんだが、この点に関しては会長のケネス・レイも、CEOのジェフリー・スキリングも抜群の才能を持っている)、四半期決算毎にストックオプションをボーナスとして出せば、株価が上がった時にさっさと現金化すればいい。特に破綻前の経営幹部の株の売り抜けは見事だ。

もうひとつ面白いのは、決算報告にPLは出すけれど、同時にBSは出さないということ。つまりフローの話なんかはいい加減な話をしたって辻褄を合わせられるが、ストックの話になると実体が見えてしまうので数字として出せないということなのだ。しかし、よくもまあこんないい加減な話をアナリストが信じたもんだ。というか、アナリストなんか所詮こんなレベルだと思うべきなんだろう。

エンロンからは大統領選に20億ドルもの莫大な政治献金があっただの、会長のケネス・レイはブッシュ・ファミリーとは家族ぐるみの付き合いをしていたなど、ドロドロとした政治的な意図もあったのだろうが、こんな出鱈目な会社が1990年代のアメリカを代表する大企業だったというのも、何とまあアメリカ的な話なんだろうか。

結局、こういう拝金主義の奴らが政治と結託してしまうのはどこの国でも同じで(まあカルト教団とくっつくどっかの国よりマシかも知れないが)、いつまで経っても歴史は繰り返してしまうということなのかも知れない。

この事件が2001年。この時点でしっかり後始末をやっておけば、2008年のリーマン・ショックは無かったかも知れない。
riverman

rivermanの感想・評価

4.0
ここまでの大掛かりな企業詐欺が本当に起きたのか?と疑りたくなるくらい驚きの事件だ。企業モラルや真実を疑る目の大切さを訴えてますね。ドキュメンタリーの良作です。
DVDにて。2001年に破綻したエネルギー企業エンロンのドキュメンタリー。ライブドア事件の時に日本版エンロンと評されたが、改めて見てみると格が違う。スケール、悪質さ、政治との癒着っぷり全てエンロンのぶっちぎりである。

電気代をつり上げるために意図的にカリフォルニアで停電を起こすなんてショッカーでもしないような事をするし。当時ニュースで知っていたが映画で見ると、とても現実に起こった事件とは思えないのだ。あまりにも悪質すぎて。

一般市民、株主、社員等々多くの人達に被害を与え、自分たちだけは利益を取れる神経って何だろう(歴代CEOは破綻前に自分の株式を売り抜けている)と思う。劇中で紹介された「ミルグラム実験」がその理由の一つだろう。

ミルグラム実験↓(Wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%AE%9F%E9%A8%93

人は権威ある者からの命令には間違っていたとしても従ってしまう性質を持つ。しかも、それを拒絶する倫理観は次第に麻痺していく。

エンロンの場合は不正に関わった人間が多すぎた。元会長のケン・レイを始め元CEOジェフ・スキリング、アンディ・ファストウ、エンロンの格付けに関わったメリルリンチ、ゴールドマン・サックス等の投資銀行、証券会社、意図的に株価をつり上げたトレーダー。
巨大な悪に加担していると思いつつも責任が分散されているため、誰も自分が悪いとは思わなかったのだろう。全てが破綻するまで。

この映画はエンロン破綻の背景を描く一方、人が集団で悪事を起こしてしまう理由を示唆しているように思う。この映画で断罪されている人達に異常者や極悪人はいない。ごく普通の(むしろ頭の良い)人達だ。しかし、普通の人達の集団こそ最も恐ろしい事をするのだ。これも集団心理の一例なのかも。

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