ろ

KUBO/クボ 二本の弦の秘密のろのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
5.0

「まばたきすらしてはならぬ。たとえそれがどれほど奇妙でも・・・」

三味線を鳴らすと、その音色は海を割った。
流れ着いた島で、母と子は追っ手から身を隠しながら暮らしていた。

少年は病弱な母のために夕食を作る。
ぐつぐつと沸騰する水はなめらかなのにどこか作り手のぬくもりを感じ「プリンプリン物語」を思い出す。死んだクジラの腹にもぐり暖を取る描写に惑星ホスのトーントーンがよぎり、海中でギョロ目に囲まれ死にかけるところで炎のゴブレットが再生され、鐘の下で祖父と対峙する少年に、用心棒のミフネとルークとベイダー、レイと皇帝が重なり、一人あわあわする。侍や化け物の形をした折り紙たちが画面いっぱいのびのび動く、とにかくダイナミックだった。

両親の仇を赦すという、一番つらく一番幸せな結末に寄り添うような灯篭流し。
怒りや悲しみが三味線の音にのり舞っていく。それは風に煽られる炎や、ロウリュの熱風のように。三味線って熱い想いが湧き上がる楽器なのだと初めて知った。
ろ