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いんび快楽園 感じてのimaponのレビュー・感想・評価

いんび快楽園 感じて(2011年製作の映画)
4.3
シナリオタイトルGOHST
リストラされ彼女からもこっぴどく振られ再就職も決まらずホームレスになろうにも縄張りから追い出された男がたどり付いたのが上野オークラ劇場旧館。閉まっていたはずの鍵が開いて足を踏み入れるとそこには疑似家族が暮らしていた。
懐かしい上野オークラ旧館だけど中こんなんだっけ?あまり憶えてないもんだな。
夫婦に長女とその婿、次女の高校生の家族は「地球最後の日」という劇中映画のキャストで終末を受け入れセックスや自慰に明け暮れている。最後の晩餐はそうめんをすする。劇場内でのセックスシーン、映写の光が当たったりする絵が良い。映写室から客席を見下ろす風景が良い。劇場裏階段の所から見上げるビルの間の空が良い。さらに地下の劇場まで。地下があるのは知らなかったな、上野地下特選劇場か。
TV、ビデオからDVD、配信の世となり淘汰されていく古い小屋に自分の人生を重ね合わせる。
だが、劇場内で生活していると男は何故か絶倫になり彼女から腐された性技も上手になる。何もかも上手く行かなかった人生が劇場内だけ好転する。ママとも長女とも良い思いをし、ついに常にセーラー服の女子高生と関係を持ち、ずっとここで暮らしたいと思うが、「元気になったあなたは外の世界に出ていけるし出て行くべき人」と諭される。
セーラー服の膝枕に抱かれて泣きじゃくる男。
劇中映画の海辺のシーン。空に浮かぶのは接近しつつある彗星だろうか特撮がチープで味がある。
映画愛、映画館愛の郷愁とどん底からの再生。同監督の傑作NEXTと対を為す作品だろうが好みならこちらかな。
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