爆裂BOX

ゴーストハンターの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゴーストハンター(2007年製作の映画)
3.0
16世紀、植民のためアメリカへ渡った英国民117人がロアノーク島で突然消息を絶つ。半年後、島を訪れたアナニアスとジョージ達におびただしい数のゴーストたちが襲い掛かる…というストーリー。
16世紀末に植民の為に北米大陸に上陸したイギリスの開拓民が忽然と姿を消した「ロアノーク島集団失踪事件」を題材にしたゴーストと人間の戦いを描いたファンタジーホラーです。史実の方は現在でも様々な分析や考察がされていますが、「厳しい環境に全員で島を捨てて何処かへ移動した」という説が一番有力視されているようですね。
1587年、ヴァージニアと名付けられた北米ロアノーク島に上陸したジョン・ホワイト率いる英国開拓民一行は、砦にいるはずの先発隊の姿がなく、残っているのは一体の白骨化した首吊り死体と、柱に残された古代ノルドの血文字のみ。アナニアス達は敵対的な先住民の仕業ではと考えるが、やがて砦を作った森は先住民も恐れて近づかない太古の亡霊の大群がすむ呪われた場所であると知るのだった、という内容です。
ジャケットはゴーストホラーという感じですが、ホラーとしては怖さはないですね。登場するゴーストたちはかつて島に流れ着いたバイキングたちのようで、ボロボロのフードに骸骨の顔や、バイキングの格好した骸骨という見た目で、緑色の半透明の姿をしています。前半は、森に入った開拓民を木の蔓やツタが触手のように伸びて絡みついて精気を吸い取ったり、直接手で触れて精気を吸い取ったりしますが、やがて砦に現れて斧や剣で直接的に攻撃してくるようになります。亡霊なので基本人間側の攻撃が当効果なく、相手の身体すり抜けて味方に当たったりします。攻撃の時には実体化するようだけど、攻撃当たって消えるけど死ぬわけではなさそうで無敵の存在と言えますね。水が弱点のようだけど、主人公達戦う時に何故か剣や銃ばかりで水を積極的に攻撃に使おうとしないのは謎でしたね。大群と言っても低予算のTVMだからか多くて4~5体くらいしか登場しません。
物語はアナニアスをリーダーとする開拓民たちが作物の不足による食糧難に悩まされ、更に失踪者が相次ぎ、やがて亡霊たちが押し寄せて戦いになります。先住民の仕業と思い込んだ過激派な幹部が一部の兵士を連れて攻撃仕掛けて先住民と戦いになって友好的だった彼らも敵に回してしまいます。TVMとしてはストーリーも真面目に作ってあって、エキストラも多いし砦のセットなどもいい雰囲気出してますし、安っぽさはあれどCGもそこまで酷い物ではなく堅調な作りではあると思います。
ただ、敵が強すぎ&攻撃手段が基本剣と銃だけでアクションシーンも見映えするものではなく、策を弄して亡霊に立ち向かう面白さもないですね。直接的なグロシーンもないですし、死体はちょっとグロいけど。
主人公アナニアスは亡霊たちの狙いが生まれたばかりの子供にある事を知り、子供と開拓民たちを守るために先住民のリーダーの助けを借りながらバイキングの伝承に則った対処法考えて実行していくも、史実に沿ってるんで全滅確定してるのも物語の求心力を削ぐ結果になっていますね。最後の戦いも絵面的にもそこまで盛り上がるものではなかったですね。
ただ、史実に沿いながらも救いのあるラストは上手いこと繋げたなと思いましたね。
TVMながら真面目に作ってあって駄作と切り捨てるような作品ではないですが、これと言って突出したものがないあまり印象に残らない普通のB級映画になってるのが惜しいですね。暇潰しにはなるんじゃないでしょうか。