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パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリストののんchanのレビュー・感想・評価

4.5
天才の奏でる音楽ドキュメンタリー♬
素晴らしい音を言葉で表現するって殊更難しい...

2014年に66歳で急逝したスペインの天才ギタリスト、パコ・デ・ルシア💫

実の息子であるクーロ・サンチェス監督が亡き父を語るインタビューと、パコの名演奏を切り取った特別動画と沢山のパコ自身とその関係者達のインタビューが見聞き出来ます。

音楽一家で育ったパコは、ギタリストの父親が兄を教えているのを見ていただけで、簡単だなと感じていたと言う。そして7歳でギターを手にするとすぐさまに弾けた。

12歳でプロとしてデビューしたパコは、フラメンコの世界に大きな革命をもたらした。だが、その完璧主義と強い音楽探求心の執念が『フラメンコという箱』の中では才能を持て余す事になり、もっと広く自分らしい音楽の追求をしたくなる。

フラメンコに縛られず米国へ渡り、ジャズやフュージョン系のミュージシャン達と繋がって行った。その完璧なるリズム、感性、技術で世界的に益々広く知られる存在となって行った。

何かのインタビューで「左手と右手はどちらが難しい?」と聞かれ「左手だね。だって旋律を奏でるから。右手は簡単、鳴らすだけ」みたいな答えをして新聞に載り、酷く糾弾を受けた事もあった。

圧倒的なテクニックによって生み出される旋律は、華麗で、物凄く官能的でもある。天才の奏でる名演奏シーンに心が躍った🎶至福の時間をアマプラで体験できるなんて、なんて良い時代だろう💓

貴重な演奏映像や、カルロス・サンタナ、ジョン・マクラフリン、チック・コリアらのインタビューなども入っている。サンチェス監督の姉妹もプロデューサー、脚本として参加し、子供らが亡き父の魅力を余すところなく詰め込んでいる素晴らしいドキュメンタリーでした✨



※実は2001年の5月、東京のオーチャードホール公演に聴きに行ってます♬
生でパコ・デ・ルシアを堪能出来たあの時の想い出が蘇っています。
素晴らしいという言葉さえ安っぽい。崇高過ぎた。オーラがあまりにも...
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