KUJIRA

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

IMAX鑑賞

今更ハリソン フォード。
何故今インディ ジョーンズ。
その疑念が最後まで払拭されず。

そもそも前作クリスタルスカルでの迷走振りを、どう捉えているのか。
有名タイトルに依存した金儲け。
過去の栄光に酔う同窓会。
そう言うマイナスの先入観を覆すパワーは無かった。

若いインディの映像はCGなんだろうか。
とても作り物に見えないビジュアルの完成度。
ただ、表情や細かい動きにゲームのムービーっぽさを感じた。

ハリソン フォードの年齢を考えると、これがラストになりそう。
そのストーリーが弱い。と言うより、作り手の自己満に陥っている気がしてならない。

前作の息子が出て来ない。
実は戦争で死んだ。
マリオンと別居。
その前提が過去作と連動していない。
その割に、過去のシーンが随分描かれる。

であるならば、息子が死ぬ流れを描いた方が、話に芯が通ったと思う。

最後、インディが幸せを取り戻しました、みたいな安っぽいご都合主義な締め方。
伝説的人気シリーズを引っ張り出して来て、
描きたいのがこれなのか。

考古学をファンタジーにしてしまった前作の失敗を活かせていない。
宇宙人の次はタイムリープ。

アンティキティラは謎のアイテムだが、天体の動きを計測するみたいな説が有力になっている。
超文明の遺物と言う説は、今時見なくなった。
それが時空の裂け目を指す道具にされている。

作り手の情報がアップデートされていない。それが悪い意味で作品に滲み出ている。

敵の目的が謎過ぎる。
ナチが過去に戻ってまでやりたい事がヒトラー抹殺。
殺して何を修正したいのか不明。
ナチス党そのものの否定なら、もっと前に戻らないといけない。
途中で殺すなら、誰が代わりになるのか。
自分か?

敵の一味が、あまりにも無法者過ぎて現実味が無い。
何人も殺す。
死体の処分も工作もしない。
大衆の面前で平気で発砲。

都合良くインディが疑われる展開。
その件がその後全く出て来ない。

ヘレナはとても魅力的なキャラクターだが、序盤と終盤でキャラ変し過ぎ。
破天荒で滅茶苦茶な行動と言動。
からの、実は善良で常識的な人間ですみたいな描き方。
ギャングに結婚詐欺、名付け親から窃盗した物を売り捌く。けど良い人間?
良い泥棒、良い海賊、そんな漫画の世界。

最後、何の抵抗も無くマリオンが戻って来る所までファンタジー。
拗れた関係って、そんな簡単に変わらない。
一緒に冒険したなら分かるけど。

謎の子供枠。
南米系?ポリコレ?
どうでも良いけど、全く好きになれない。
何歳なの??
結構ヒゲ生えてるし、何でも操縦出来るし。
性格も難あり。


アクションがとにかく分かり難い。
細切れカット+画面が暗い。

考古学者のインディが敵から逃れる為に、棚を蹴り倒す。ドミノの様に次々と倒れ敵に命中。
これ、インディは絶対にやらない行動だと言い切れる。

だって、その棚には自分が集めた貴重な遺物が所狭しと詰め込まれているのだから。
その価値を一番良く知ってる人物が取る行動じゃない。
敵がやるなら分かる。
ましてや、あんな運任せの攻撃。


過去の戦場の描き方もおかしい。
突然、見た事も無い物体が現れたのに、誰も驚かない。
「ドラゴンか。」
もっと取り乱したり逃げ出したりするでしょ。

何よりも驚くのが、飛行機の壁を易々と貫通する過去の武器。
槍だか矢だか知らないが威力が異常。
もしくは、飛行機の防御力が異常。
ベニヤ製か?


10年後ぐらいには、リブートとか言い出すんだろう。
それなら、ヘレナでシリーズ化した方がマシ。
KUJIRA

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