TIKO

淵に立つのTIKOのネタバレレビュー・内容・結末

淵に立つ(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

 終始陰湿な雰囲気が漂う。登場人物の会話に微妙な間があったり、誰も喋っていないカットが長めにとってあったり、これらが暗い雰囲気を醸し出す要因なのかと思う。
 真相がわからないまま終わってしまうので何とも宙ぶらりんな気持ちで見終えてしまったが、結局表現したいことは人間の罪と罰だと思う。序盤で娘が、子供に食われる蜘蛛の話をしているが、それとは真逆の状況になってしまうという展開がとても秀逸。
 隣で神への感謝の言葉を口にし食事をする奥さんと娘をよそに無言で食事をする夫。そんな夫は罪とか罰とかそんな言葉を終盤口にするが、信心深い様子が描かれていた奥さんの方は全くそれを受け入れることができない。ここら辺も、皮肉が効いていて面白い。考えれば考えるほど深い映画だなーと思う。

2023 140
TIKO

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