不倫相手から別れを告げられたOL（麻吹淳子）が、ストーカー（島和廣）による調教プレイを受け入れてしまう。SMに溺れていく女性の姿を追っている、日活ロマンポルノ。団鬼六原作。鈴木則文脚本。
失恋の痛手を背負ったタイミングで、第三者が介入してくるパターン。不倫相手（石山雄大）とその妻（小川亜佐美）へのリベンジ要素が強いため、団鬼六のテイストが薄味になっているが、翻ってみるとマンネリからの脱却に成功しているともいえる。
ヒロインのことを高嶺の花として崇めているストーカーが、主従が逆転した状態でヒロインに接近して、肉欲を貪るようになる。団鬼六のサドマゾ劇に必要不可欠となる要素は、それなりに抑えてある。
SM倒錯劇とリベンジ劇のミックス感覚に、ソクブン流映画術を推量することが可能。子供に夢を与えている童話作家（野上正義）が、実はサディスティックな変態オヤジだった、というくだりに拍手喝采。
