のんchan

シエラネバダののんchanのレビュー・感想・評価

シエラネバダ(2016年製作の映画)
4.0
ルーマニア映画🇷🇴はたまにガツンと来る作品と出会えますが、今作はルーマニアのとある家族の法要のひと騒動を見守るヒューマンドラマ。
カンヌ映画祭で絶賛されたものの無冠で終わった残念な良作💫

3時間の家族会議?というか問題だらけの親族の会話で成り立っていて、とんでもなくシュールな内容でした😁でもクスッとさせられたり、ハラハラさせられたりで全く飽きませんでした。

主人公は医者の長男で、父親の法要をする為に実家の狭いアパートへ行くところから始まる。
車中ではキッツイ妻が娘の学芸会の衣装を買った夫に散々な悪態を突いている「何で白雪姫なのにオーロラ姫の色にしたの?よりにもよって農民の娘役する娘の大嫌いな子と被る訳?」と理不尽な文句を言われる夫。「グリム兄弟はドレスの色を指定してんのか?じゃ何色がいいんだよ?」「ディズニーの白雪姫はクリーム色よ」「なぜディズニーに合わせる必要があんだよ」ってな具合。面白いでしょ😂

狭いアパートには母親、妹夫婦に赤ちゃん、叔母、その子供らに親族が大勢。
女性たちはキッチンで食事の支度に大忙し。男たちはどうでも良さそうな話題をぶつけている。
「至近距離でカラシニコフ銃をぶっ放すと脳から血が出ないんだぜ、動画観るか」となにも法要の時に話す話題じゃないよね?ってなことを延々と喋ってる。

なかなか現れない神父を待ち続け、お腹が空くけど口にしちゃダメと言われる。
ようやく来た神父と弟子。ルーマニア方式の法要の仕方が面白い。
全部屋回って十字を切って祈りの言葉を呟いている🙏

法要は終わり、今度は叔父の浮気騒ぎで叔母は泣き続け、口からはぶったまげの放送禁止用語をぶち撒けては卒倒する始末。

ようやく食事が出来る🍽️けど、ロールキャベツとマッシュポテト程度で簡素。母親は食べる気も失せ寝込んでしまう。


チャウシェスク時代の親世代と現代人の子供世代のジェネレーションギャップ、親子の確執、夫婦関係、ジェンダー問題...まさに社会の縮図が3LDKの狭いアパートの中で繰り広げられます。

どこの家でもなにか行事があって親戚が集まると一筋縄では行かない場合もあるけどね...

少し時間に余裕があったらぜひぜひお勧めしたいです。
ブラックユーモア溢れていて、私はとても楽しめました🤣👍

日本語の入っていないジャケ写がイイ👍
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