うかりシネマ

LOGAN ローガンのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

25年間新たなミュータントが生まれず、ミュータントが過去のものと化した2029年。老いたローガンは、痴呆症になったエグゼビアと少女・ローラと共に、生き残ったミュータントがいるとされる“エデン”を目指す。

X-MENシリーズは元より人種差別やドラッグのメタファーを描いていたが、本作では少年兵、自殺、介護、代理出産といったテーマを直接描いており、ドラマ性が冷たい。
仲間もいない老いた二人がメインなので、アクションが多くゴア描写もあるのに、爽快感は全くない。

旅の中でエグゼビアは祖父、ローガンは父に、そしてローラは娘と擬似家族を築いていく。
家族を持つことが叶わなかった二人だが、他人の温かいものを借りることはできるという幸福の形が描かれる。恵まれし子らの学園でエグゼビアやローガンが残したものはミームという“縦”の繋がりだが、ここで描かれるのは“横”の繋がり。

エグゼビアがローラに見せる『シェーン』から「谷から銃は消えた」という台詞が引用され、ローガンの死が予告される。
過去作からある程度のキャラ性は引き継いでいるが、設定上は完全に独立しており、本作単体でも鑑賞できる。異色のヒーロー映画。