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ワンダー 君は太陽のdumpkindonutsのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.8
2時間ずっと号泣してた。
ジュリアロバーツ演じる母親役イザベルが執筆している論文では、「The innocence and Exprerience(無垢と経験)」が題材とされている。英国の詩人William Blakeが、「無垢で純粋な子供の心と、経験を積んで物事への考えが良い意味でも悪い意味でも構築されている大人」を題材とした詩。特に、子供の自由さと親から子への教育の仕方についての英詩。

この映画作品のの一つのテーマは「物事への見方と子供の純粋さ・優しさへの勇気」だと考える。
子供は、まだ無知であるからこそオギーに対して「今までに見たことがない醜い顔の人」と第一印象で感じてしまうし言葉でも伝えてしまう。
逆に親友ジャスティンのように、偏見無しに心から純粋に接する子もいる。きっと大人は〝見て見ぬふり〟。一方で、そんな無垢な子供に生き方を教えることもまた大人の役目。オギーを真っ直ぐに受け入れ評価した校長先生・バイアス無しに寄り添い1人の生徒として見守ったクラス担任・生後からずっと愛情を与え愛し続けた両親。

いじめ主犯の子が退学時に放った「ごめんなさい」の一言。きっと親が無垢な子供に真摯に教育し「いじめ=人を傷つけること」そして優しく振る舞う勇気を教えていたら、彼もオギーのことを虐めなかったと思う。今作品での唯一のバッドエンドであり、親から子への接し方の重要性が明確視されている。

もちろんポジティブな感情のみならず、子供が持ってしまう見栄っ張りの気持ち・羨望・孤立の悲しさ、人間誰しもが持つであろう気持ちが、一人一人のキャラクターにより繊細に描写されている。

「相手の外見は変わらない、だからこそ私たちが物事の見方を変えなければならない。」
「優しさは勇気である。」