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永遠と一日のCのレビュー・感想・評価

永遠と一日(1998年製作の映画)
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どこにいてもよそ者であると感じ、「自分の言葉」を発することが出来た時にのみ自分の居場所を見つけることができた、人生の中で言葉を探し続けていた詩人の男。彼がのめり込んだある詩人の男と、彼自身とがどうしてもかぶって映った。彼らはどちらも言葉を探し求めていたし、彼らは彼らの言葉を借りるなら「未完成のまま」の姿だったから。求めているものはどうして手に入らないままなんだろう。愛したいのにどうしてお互いうまく愛せないんだろう。人生のままならなさを垣間見る。美しいけどかなしいお話だったんだなあ、ううん、かなしいから美しいのだなあ、と、十数年ぶりに観て思った。


過去を振り返るときに出てくる人々の服の色が白いのに、現在に出てくるひとたちの服がほぼ黒い(途中出会う医師や花嫁、後半のバスに乗り込むひとびと、自転車に乗るひとびとをのぞく)うえに、持っている(さしている)傘が見事なまでに黒いのにも目がいく、あれは何を意味するんだ…。
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