やわらか

ドリームのやわらかのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.0
噂通り隙のない完璧なエンタメ。今無条件に誰にでもオススメできる映画は?と聞かれたらこれ挙げるだろうなぁ。「黒人」と「女性」二つの差別を乗り越えてアメリカの宇宙開発に貢献した計算のプロフェッショナル達の物語。もうめちゃかっこいいよね。

通常これ系の実話+差別モノだと、もう少し重い内容にまとまりそうなんだけど、この作品はそういう厳しいシーンは少な目で、彼女達が自身の力で困難を克服して行くシーンが続く。こういう描き方、ハリウッド映画での黒人差別の描写の仕方がだいたいこなれて来たからじゃないかな、と。「スポットライト」で聖職者のchild abuseを描くところとかは、もっと余裕のない話だったものね。
 
俳優で言うと、キャサリン・メアリー・ドロシーを演じた3人とも「美人」な感じではなくて、普通の女性としての魅力に溢れている。あと、ケビン・コスナー、いつの間にこんなカッコいい上司役をやるようになったのか。最後まで気がつかなかった。
 
最後に、個人的な正直な気持ちを書くと、この映画は凄いし好きだけど「最高」までは行かなかった。たぶん、作り手のエゴというか過剰な部分が全く感じられなくて、一歩引いた印象を受けたからかな。あと、彼女達の凄さの中身があまり説明されなかったところもあるかも。でも今年トップクラスの作品であるのは間違いないな。
 
あ、そう言えば映画の中で「プロジェクトの進捗がおもわしくないから今日から残業しないと」みたいなシーンがあったんだけど、日本人的には「プロジェクトが深刻な遅延にならないと残業しないのか?」(しかもそれでも割と真っ当な時間に家に帰ってるっぽい)って思うんじゃないかと(笑)
やわらか

やわらか