このレビューはネタバレを含みます
原作も昔の映画も観ていなかったので、普通の探偵ものとして観るつもりだったけど、そう言う観点で言えば少し期待外れだったかもしれない。純粋な推理のロジックとしては、現代には他にもより細部を充実した作品があると思うので(無論そのロジックはクリスティが書いたモノがあってこそ生まれたものだけど)。
この作品の位置付けは、あくまで『オリエント急行殺人事件』という古典的名作を、現在の映像技術と現代の名優であらためて磨き上げるところに主眼が置かれていると思う。その意味では、クリスティの原作における各国文化の美しさや旅の中で生まれる感慨などがきっちり描かれている。
俳優陣はいずれも名の知れた人ばかりなんだけど、その中でも普段主演系の人と助演系の人が居て、この作品の性質上あまりその区分がはっきりしてないので、いつもと違う側面が見られた気がする。ちなみに、伯爵夫人役はシング・ストリートのあのカワイイ彼女さんなのね。そして伯爵はセルゲイ・ポルーニンに似た人だったけど・・・・本人かよっ!(笑)
あと、以下完全なネタバレ。
シナリオに関して。残り30分ぐらいのところで全員が関わってる?とは思った。最後の最後まで分からなかったのが、ブークが黒幕かどうか?ってところで、そこだけ気になったかな。古い方の映画が大好きな人と一緒に観たけど、その人曰く、オチが分かっていても十分楽しめたとのこと。