まーしー

THE BATMAN-ザ・バットマンーのまーしーのレビュー・感想・評価

3.5
これまでのバットマンと比べ、よりリアルな作品ではないだろうか。
ティム・バートン監督版はファンタジー色が強かった。クリストファー・ノーラン監督版は重厚感に溢れていた。
本作はいずれとも異なる作風。ゴッサムシティを舞台に、バットマンが連続殺人事件の犯人を追うストーリーは、まるでミステリー映画であるかのよう。

それもそのはず。本作の連続殺人鬼は、実在する未解決事件の犯人「ゾディアック」をモデルにしたとのこと。
警察、検察など、正義の味方が次々と標的になっていく——。

バットンマンを演じたロバート・パティソンは、『トワイライト』シリーズで見せた妖艶な雰囲気を完全に封印。
自身の過去の出自とも向き合う、ダークヒーローを演じている。
ノーラン監督のバットマンほど本人の苦悩は伝わってこなかったが、キャットウーマンとの恋(?)など、人間らしさも垣間見える。

他にも、ポール・ダノやコリン・ファレルも出演。
特に、ペンギン役のコリン・ファレルは、見た目では全く気付かず。特殊メイクの力を知らされた。

カーチェイスなど盛り上がり場面はあるものの、激しいアクションは少なめ。
これも、リアリズムを追求した結果なのかも知れない。
一方で、キャットウーマンの感情の揺らぎを描くなど、ドラマ部分をより丁寧に描いている。

本シリーズも3部作だとか。
さすがに3時間にも及ぶ超大作のため、気軽に再鑑賞する勇気はない。
しかし、骨太な新シリーズとして、今後の動向に注目したい。