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ロニートとエスティ 彼女たちの選択の先生のネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。自由と選択の話。

冒頭、ロニートの父親が信者達の前で演説をする。そこに、天使と獣と人間の話が出てくる。
天使=ドヴィッド(信仰の体現者)、獣=ロニート(欲望)、人間=エスティ(自由意思)、という図式なのかなと思った。
ロニートの父親は神であり、その神が亡くなって3人は翻弄され、最後はお互いに受容しあう。

ドヴィッドがエスティに向かって「君は自由だ」とみんなの前で大声を上げることに感動した。
しかし、直前にエスティの「自由にして」という訴えを拒む様子をみせていたので、なにがきっかけだったのかよくわからない。ロニートの父親の演説を引用していたので、それを思い出したのだろうけど、そのきっかけになるようなシーンがわからなかった。

また、エスティがこっそり燭台を2本持ち帰り、それがロニートの手に渡ったことも示唆されていたけれど、その意味についても説明かなにか欲しかった。遺言状によりロニートには形見が何も残されていなかったので、エスティが配慮してやったことなんだろうけど、それがロニートにとってどんな意味のあるものだったのか。
ロニートはコミュニティの外に出て、一見自由な風にも見えるが、「去るのは楽じゃない」と発言しているし、ラビだった父親の娘であるという自覚がとても強いキャラだと感じた。

あと気になったのは、ロニートに向かって「許し得られずに…」という言葉を投げた人がいたこと。許しという行為は当事者間の話で、他人からどうこう言うもんじゃないよなあと思った。
また、とにかくルールに従わせようとする抑圧を感じた。そのルールは誰のためのものだったのだろう。

エスティは赤ん坊をどうするかという選択肢があることを見つけ、選択できたからこそ、最後は晴れ晴れしい表情になれたのだと思う。
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