やわらか

アウトレイジ 最終章のやわらかのレビュー・感想・評価

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)
3.8
珍しく人と映画を観たんだけれど、その人の仕事が長引き、最初の15分ぐらい見れなかった。席に付いたら、西田敏行が他の幹部に会長の文句言ってるところだった。まぁ、後の展開でだいたい何があったかは分かったけれど。
 
ええっと、シリーズ全部観ていたんだけど今回が一番地味だと思った。このシリーズ、キャストの特徴として、キャラ特濃なオヤジ組に対して第一作は椎名桔平、第二作は中野英雄や加瀬亮といった若い俳優を配置し、彼らを輝かせることで絶妙なバランスを作りだしていた。今作にはそういったポジションにいるのがピエール瀧と大森南朋だけど、前作までと比べるとだいぶ雰囲気が違う。あくまで生き残って来た老人主体の作品だった。あと、一緒に行った人に言われて気付いたけど、塩見三省さんがかなり痩せておられて、体調がどこまで戻っておられるのか心配。
 
全体通してみると「シリーズを終わらせる」ということを前提に、これまでのキャストや枠組みを棚卸したような印象だったな。そういう割り切りのもとでスマートに仕上げた感じ。個人的にはさっぱりしていてすがすがしい感じだけど、シリーズに思い入れの強い人には物足りない部分もあったかもしれない。
 
映像面では、このシリーズ自体そうだけど今作は特に『キタノブルー』ではない普通の絵になってた。絵の美しさよりも観やすさ、分かりやすさを重視したのかなと思った。意外にハードな描写も少なかったな。
 
おそらくこれから年齢を重ねるにつれ、監督・主演でハードな作品を撮りにくくなって行くであろう北野武が、きっちりとシリーズを締めたことに祝福と拍手を送りたい気持ち。
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