HidekiIshimoto

標的の島 風かたかのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

標的の島 風かたか(2017年製作の映画)
4.5
これの前作の『標的の村』の公開後あたりなのでもうひと昔前の思い出。恒例夏の孤独旅で沖縄本島最北端を目指し、周囲にはヤンバルの山と海しかない海辺に建つとてつもなく素敵な手作り宿に泊まったのです。宿の方々にはとてつもなく温かく接してもらい、翌日はヤンバルの森(というよりジャングル)の只中にある、宿のオーナー家族の住まいも兼ねた、まじでとてつもなく素晴らしい手作りカフェ山甕にもお邪魔したのです。で満たされ尽くして帰った東京で、たまたま前作のチラシを見てアッと声でたのです。あの山甕こそがオスプレイ基地に囲まれた高江地区ど真ん中であり、あのとてつもなく人間味溢れたオーナーこそが本作にも出てくるゲンさんだったのです。己の無知と愚鈍を呪いつつも、あの人柄の方々が、あの過酷な闘いを強いられるあの現状にいたということの噛み合わなさに絶句したのです。その時すでに五児の母でお日様みたいな笑顔の奥さんを俺は厚かましくもグレートマザーと呼び、ジャングルとお日様に包まれて遊ぶ童子達が眩しかったのです。けどこの突き刺さる記録は、突き刺さるゆえかレビュー数200にも満たずで、とりあえずは俺の全呪いをゲンさん一家を脅かす全ての者どもに向け放射中。