HidekiIshimoto

逃げ去る恋のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

逃げ去る恋(1978年製作の映画)
4.5
とうとう最後のドワネルの冒険。冒頭からまた奪われてやがるドワネル。奪う恋人はまたもド級の可愛さでやいこらドワネルてめぇ。元奥さんはさらにエレガントになり、再会する初恋相手もさらに優雅になってて、そのみんなによちよちされてやがる。アントワーヌ・ドワネルとは永遠のモラトリアム野郎にして世界一の母性本能狙撃手なのだった。現恋人とのハッピーエンドもその先の優柔不断エンドが見え見えで、イタリアにマルチェロあり、フランスにレオありを再確認。けど男がみんなマルチェロかレオみたいならとりあえず戦争は起こらんなと確信。少年ドワネルから中年ドワネルまで時を超えて総括しつつ、語り口からテンポからほんとに上手いトリュフォー。リンクレーターのビフォアシリーズの源流ここにありの気分。けど最後の「逃げ去るものばかり僕は追いかける」という歌詞にこっちの人生まで総括された気分でさぁぼちぼち死にますかの気分。トリュフォー存命なら爺ドワネルの老いらくの恋映画絶対撮ったと思う。観たかった…。