昔から「嘘つきは泥棒の始まり」と言って、社会では何にせよ嘘をつくことは人間関係を崩すきっかけになります。
今年一番ショッキングだった嘘つきが水原一平氏。まさかこの人がこんなに嘘つきだったとは誰もが耳と目を疑いました。まさしく彼の人間関係は例の一件で全てガラガラと音をたてて崩れ去りました。
嘘をつくのにも色々と理由がありますが、本作の主人公にはそれがあるのか?無いのか判然としない辺りがサスペンス色を強めています。
嘘をつく事が許されない間柄が被告人と弁護士の関係ですが、弁護を引き受けた被告人が折檻する度に言う事が違うので翻弄され、交差点の真ん中で立ち往生し空を見上げるしかない主人公の弁護士でした。
また弁護士同様に本作にどう向き合ったらよいのか戸惑っている観客も多く居そうな作品です。
「嘘も方便」と言いますがそれにも程度があることが本作と水原氏を見ているとよくわかります。