ろ

ママたちのろのレビュー・感想・評価

ママたち(2015年製作の映画)
4.4
「覆水盆に返らずだ」
「あなたがこぼしたその水で、私は溺れてる」


フランス映画祭2016~短編映画集
ラストは今作「ママ(たち)」。
5作品上映された中で1番好きでした。
ものすごく心が動かされて、涙が出た場面も。。
最後まで観ると、なぜこのタイトルなのか(複数形なのか)が分かります。


パリでお母さん、お兄ちゃんと一緒に暮らす8歳のアイダ。
久しぶりに大好きなお父さんが帰ってくる!アイダは家族のイラストを飾ってお父さんを出迎えます。
しかし、お父さんは赤ちゃんを連れた若い女性ラマと一緒に家に帰ってきて・・・。


お父さんが帰ってくる場面、本当に衝撃でした。。
帰りを心待ちにしていたお母さんの気持ちを考えるとそれだけで涙が出る・・・。
「その女は誰?赤ちゃんはあなたの子どもなの?なんで?どうして?」
言葉にならない怒り、悲しみ、絶望が溢れる。


一番切なかった場面。
お母さんとお父さんの会話をアイダが盗み聞き。
「あんな人と暮らせるわけないでしょ」
「彼女も行く当てがないんだ。しょうがないだろ」
気持ちをぶつけることも出来ず、悔しくて号泣するお母さん。ベッドの下に隠れていたアイダも声を押し殺して涙します。

そして、アイダの反抗が始まる。

ラマがテレビ番組を見ていると、その横でリコーダーを吹き始める。
彼女がよそってくれた料理には手を付けない。
もらったお人形もポイ。
そして、ついに最悪の事態が・・・。


でも、そのアイダの行動によりお母さんの気持ちは救われたんじゃないかな。「私の代わりにアイダがやってくれた」と。そして、お父さんにも伝わったでしょう。アイダやお母さんがどれほど傷ついているか・・・。


これから6人で仲良く暮らしていくのかしら。そんな希望の持てるラストでした。


「パパは今もママが好き・・・?」
ろ