「アトミック・ブロンド」を観ようかと思ったけど、たまには自分が（新作で）あまり観ないジャンルにチャレンジしてみるかーっと考え直してこっちに変更。日本のテレビ局主導で作った映画って相性良くないんだけどはてさて。。。
大枠のストーリーはオーソドックスなもので、マイナースポーツをテーマに、いったん挫折 ⇒ 特訓 ⇒ 成長 ⇒ 危機 ⇒ クライマックス。。。という王道展開。細かいテクニックとして、観客にある展開を予想させておいて、敢えてその予想を外させている箇所があって、後から感心した。爆笑ではないけどクスっと笑えるシーンも多くて、実際劇場での反応も良かった。この手の映画としては、映像も演技もシナリオも音楽もギャグも、みんな平均以上で揃えてあって、レベルが高いのは間違いない。
しかーし、それらもすべてひっくるめて、やっぱり予定調和感は否めない。有り余るゲスト出演者陣とか、おせっかいな音楽とか、どっかからコピペしてきたような恋愛シーンの台詞とか。求められているもの、期待されているものをきっちりご用意しました（ﾄﾞﾔｯ!）ってな。
出演者で言うと、こういったマイナー競技（スポーツに限らず）の映画って、主人公の成長と恋愛だけだと一本調子になり勝ちで、それを飽きさせないためには、脇役陣がどこまで存在感出せるかが大きなカギだと思う。その意味でこの作品では、広末涼子さんが非常に良い役柄だった。若くないけど年寄りでもない微妙な年齢で、その歳だからこそ見せられる微妙な感情と表情を巧く出せていたと思う。
ただ、彼女一人だけでは限界があって、もう２人か３人ぐらい面白いキャラクターが居たらな、と思った。具体的にはライバルの２人で、永野芽郁さんにはもっと嫌われキャラを徹底させれば良かったと思う。それが出来る女優さんだし。瀬戸康史さんの役は行動に統一感がなくて違和感あったな。やってることだけ見たらちょっと変質者っぽい。普通に考えてこんな人間好きにならんだろうって感じで（脚本的に）失敗だと思った。
最後に、この映画はたぶん一人の女優さんをフィーチャーするための作品なのだと思うし、実際彼女は素敵だと思うけど、その素敵さが映画の価値を高めているようには感じなかったな。映画としては今年観た同ジャンル中でも『チア☆ダン』の方が遥かに良いと思われる。どちらが売れるかは別として。
