こたつむり

パンドラのこたつむりのレビュー・感想・評価

パンドラ(2016年製作の映画)
2.5
♪ 言ってしまえば僕らなんか
  似せて作ったマガイモノです

韓国で原発が爆発して、さあ大変!な物語。
ということで、覚悟を抱いて臨んだんですが…うーん。かなり“トンデモ”な案件ですね。福島の件があるから日本人は身構えちゃいますけど、かなり無理がありますよ。

「うわぁ、放射能がきたぁ」
とかマジですか。
見た目で分かる筈がありません。

あと、原発が壊れる地震も中規模(M6.1)。
余震もないですからね。それで壊れちゃう原発って最初からヤバくないですか。それとも「韓国は管理ができない」と自分たちで言いたいんでしょうか。自虐的なんですね。

そう考えると。
パニック映画の方向に舵を切ったのも理解できます。放射能が怖くて一般人を閉じ込めて逃げる企業とか。患者を簡単に見捨てる医者とか。「これが韓国の現状なんです」と言いたいんでしょう。

高速道路を逆走するのもビックリしました。
自分さえ逃げられたら良い、の発想なんでしょう。どう考えても状況を悪化させるだけなんですが…これに「感情を寄せて」と言われても無理です。短絡的すぎて失笑しちゃいます。

困ったら、すぐに恫喝するのも同じ。
これも韓国が嫌いな日本人が例に挙げるパターンそのまんま。これじゃあ、近くて遠い国と言われても仕方がない気がします。

挙句の果てには全国放送でトラウマ発信。
あのクライマックスは日本じゃあ“ありえない”でしょう。日本人は“プロ”を好みますからね。情緒だけで判断するのは“プロ”失格です。

ただ、その分、パニック描写は超一級。
逆に言えば、これを日本で撮るのは無理だと思います。どこまでがCGなのかは分かりませんが、かなりの迫力でした。この部分だけを切り取れば傑作です。

まあ、そんなわけで。
題材からして冷静に捉えるのが難しいですが、感情をコントロールして臨めば、その先にあるのは超B級的なトンデモ映画。冷静に物事を捉える…そんな訓練には持って来いの作品ですね。
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