送迎バスの運転手パク・キグァンの下に、息子のソンドゥクが自殺したとの連絡が入る。元々、家族と疎遠だったキグァンは息子の状況も良く分からないまま、葬式を済ませて孫娘のポラムとのぎこちない関係のままだった。しかし、ポラムとの会話でソンドゥクの自殺に疑問を抱いたキグァンは、独自に調べ始める。
ストーリー前半は、疎遠だった息子ソンドゥクや孫娘ポラムの状況をキグァンが知るパートになっており、特に派手なシーンも無いので少しフラストレーションを感じました。しかし、後半になると、キグァンが本気で動き出し、前半に溜めた鬱憤を一気に吐き出す展開になり、観ていて面白いと思いました。
キグァンはベトナム戦争の帰還兵ですが、その時の後遺症に苦しみ、また、高齢であるため、アクションと呼べる行動はほとんど無いのですが、本気になったときの目つきの厳しさがとても良く、怒りの感情が伝わってきました。その怒りは息子や孫娘を貧困に追い込んだ自分に対するものも含まれていた気がします。
本作の場合、憎まれ役の小者臭が強いため、あまりスカッとする展開にならなかったですが、こういう悪い奴は他にもいるような現実感があって、これはこれで説得力があったと思います。
普通に面白かったと思います。
鑑賞日：2022年9月13日
鑑賞方法:Amason Prime Video
