フライ

奇跡の絆のフライのレビュー・感想・評価

奇跡の絆(2017年製作の映画)
4.0
宗教色を強目に感じる作品だが、'実話'を映画化したと言う事と、素晴らしい行いや素敵な言葉に、宗教は関係なく、自分自身の行いまで考えさせられるヒューマンドラマで心打たれる作品。キャスティングも正に敵役!

画商で裕福な白人男性で父親の影響もあり傲慢で身勝手なロンは、不倫相手から妻のデビーに関係をばらされ離婚の危機に。優しく寛大なデビーは、許す条件として、夢で見た不思議な出来事を叶える為、嫌な顔をするロンと一緒にホームレスの支援施設でボランティアをする事に。デビーは夢に出て来た黒人男性を施設で見つけロンに探す様に頼む。過去のトラウマから白人を嫌う黒人男性デンバーと、ロンは懸命に話し合った事で、良好な関係を築く様になるのだが、そんな時デビーの癌が発覚し…

本作の見所は、世にも奇妙な物語的なストーリーと、デビーの本当にこんな女性いるの?と思わせる位素晴らしい行いに尽きる気も。同時に、過去に辛い経験をし人間不信になり暴力的になったデンバーが、夫婦との関係で絆を深めていくうちに、本来の優しい姿に戻って行く姿や素晴らしい言葉に心震えるものが。
差別や貧困、家族との関係について考えさせられるストーリーは、ロンと一緒に、人との関わりや優しさについて学ばせてくれる作品に思えた。
ラストに向け若干しりすぼみ感な展開に少し不安だったが、ラストとエンドロールで実話ならではの事の顛末説明と、冒頭のシーンも繋がり感動で涙が。
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