JohnConstantine

アルカディアのJohnConstantineのネタバレレビュー・内容・結末

アルカディア(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

カルト教団モノということで食指が動くジャンルでありながら、予告編がなんとも退屈そうな予感を抱かせるので敬遠していた。
が、ちょっと見るものもないし、ということで鑑賞。

かつてカルト教団の村にいたジャスティンとアーロンの兄弟(この2人が本作の監督)。
10年ほど前、兄ジャスティンは弟アーロンを連れてここを逃げ出す。そして実在の有名カルト集団“ヘヴンズ・ゲート”よろしく去勢や集団自殺をする狂気の集団だと世間にぶちまけた。
今は清掃業で大した収入もなく細々と暮らしている。

しかしながら1本のビデオテープが送られてきたことをきっかけに弟アーロンの希望でカルト集団“キャンプ・アルカディア”を再訪する。

新鮮な食事に美味しい酒、そしてゆったりと過ごす人々。
彼らは10年前と見た目が変わっていない。
そしてちょこちょこと不思議な現象が起きる。


前半はアルカディアでの生活の様子、ちょっとした違和感と何やら裏にありそうな怪しさを感じながらもやや退屈な時間帯が続く。

そしてジャスティンが自殺を繰り返す男から、時間がループしていて抜け出せないことを聞いてから話は段々と進んでいく。


結局のところ、山のある一帯を得体の知れない何か―神なのか妖怪なのか―が支配しており、月が満ちるとそこに暮らす生物を一斉に殺し、また生き返らせる。
月が満ちたこのリセットに出くわしてしまうと最後、もうそのループからは逃れられない。
そういうことなのだろうか。

冒頭にラブクラフトの言葉があるが、それもやはり“未知の物”に対する恐怖についてである。
そしてもう1つ示されるクオートが兄弟についてである。

リセットのタイミングから逃げようとする時に、弟アーロンは兄に対して思いをぶつける。
弟を心配するあまりやや支配的・操作的になっていた兄ジャスティンは弟の意志を尊重するようになる。

この2人の関係性が謎と大きな危機を通して変わることをも伝えたかったのだろうか。

作品の雰囲気はそれほど悪くなく、兄弟や他のキャストのルックスもなかなかフィットしていただけに、なんだか得体の知れない化け物のせいなのか、何を伝えたかったのかもやや得体の知れないところがあり不完全燃焼で終わってしまった。

悪くないんだが、惜しい。そんな作品。
JohnConstantine

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