JohnConstantine

グレート・ホワイトのJohnConstantineのレビュー・感想・評価

グレート・ホワイト(2021年製作の映画)
2.4
まず言いたいのはミシェルがとにかくいい子。
白人の大味さとは対照的に一見可愛らしく頼りない感じでもあるが、折れないしなやかな強さと諦めない芯の強さが素晴らしい。ツカコシ・キミエさんという日系の女優さんのようだが、表情豊かで良い演技だったように思う。
調べてもあまり詳しいことは分からないがまだ若いようで今後に期待したい。

そして話の筋としては、離島へのセスナでのツアーを営んでいるチャーリーとキャスの元へ、ジョーとミシェルから予約が入る。彼らにシェフのベニーを加えた5人で出発する。
離島につくと打ち上げられた遺体に遭遇、どうやらサメに襲われた様子。
残されたスマートフォンからもう1人連れがいることが分かりチャーリーは海上警察へ連絡のうえ捜索すると言い出す。
お客であるジョーは海上警察に任せるべきと反対するものの、チャーリーは押し切って捜索へ。
ここが運命の分かれ道、ジョーの言う通りにしていれば彼らはサメに襲われることもなかった…

この先はありがちな、海上を漂いながらサメに襲われるストーリーなのだが、そもそもお客を巻き込んでおいて一言たりとも謝りもせずそんな態度すら取らないチャーリー、だいぶ人格的にアレな人物ではと思う。
お国柄は違えどどう考えても警察に一任すべき案件で、ツアー客を伴って人喰い鮫のいる海におりるなんて頭がおかしいとしか思えないし、さらにセスナが沈み救命ボートで漂流することになっても常に落ち着き払い過ぎかつ全く自分の落ち度を感じさせないチャーリーにとにかく違和感しかない。

で、そんな状態に巻き込んでおいてベニーは死なせる、お客のジョーも死なせる、そんな中でさえ愛してるだのなんだのお熱いところを見せるなど、本当にどうでもいいからミシェルを何とか助けろよと思わなくもない。

というわけでチャーリーの自業自得ならまだしも、独りよがりな判断ミスにより友人やお客を死なせたことに、終始疑問符が浮かび、なんだかしらけっぱなしだった。

が、冒頭でも述べた通り、ミシェルのキャラクターが健気でひたむきでしなやかに強さがあり、また表情豊かで非常に好感が持てる。
ミシェルがいなければ胸糞映画で終わるところだが、なんとか彼女を演じるツカコシさんに救われた形になったのでは、そんな作品でした。
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