のんchan

女の一生ののんchanのレビュー・感想・評価

女の一生(2016年製作の映画)
3.8
ギ・ド・モーパッサンの不朽の名作は世界中で幾度となく映像化されているが、この作品は大好きなステファヌ・ブリゼ監督(鑑賞可能作品5作をコンプ)が手掛けていて気になってました。
今回、ヨランド・モローが出演してるのを知り鑑賞して良かった。


男爵家に生まれ健やかに育ったジャンヌが、結婚してから人生の様々な不幸(夫の浮気、息子の金の無心等)を経験していく...

実は原作未読ですが、キャストが良く、説明がましさがなく、台詞も少なめながら、過去描写の美しい想い出シーンを幾度となく挟んで苦悩の数々を浮き彫りにしている。普通は時系列が交錯すると解り難いがそれを感じさせない。
ストイックな挑戦的手法を感じた。とにかく映像美が素晴らしかった。


ジャンヌ(ジュディット・シュムラ)
横顔が特に美しく印象的。17歳のあどけなさのある少女から、約30年間を演じるが、どの年代も演技の自然さに圧倒されました。

ジャンヌの父(ジャン=ピエール・ダルッサン)
ダルッサンはおとなしい父親が似合ってはいたが、ただ30年間ほとんど老けないのが残念。

ジャンヌの母(ヨランド・モロー)
体格の良いおおらかな母親。実はとんでもない過去が...
モローは少しの出番でも存在感を印象付けます。

夫ジュリアン(スワン・アルロー)
没落貴族出身の子爵で資産も財産もゼロ。あるのは性欲のみの最低男。
髪型のせいもあるのか?芸人(ニューヨーク嶋佐)に似ていてどうも集中できなかった。


ジャンヌ自身に何一つマイナス要因がないのに、時代の犠牲者と言える。

ラストの赤ちゃんは本当の孫なのか?
ほっこりするべきなのか腑に落ちなかった。
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